珍しいいろいろなお茶(日本茶)
碁石茶
碁石茶とは、漬物のようにして強制的に発酵させて作られたお茶で、その形、色が碁石に似ていることから碁石茶と名づけられたとされています。
碁石茶は、発酵させて固形状に加工するという固形茶で、ウーロン茶の様にお茶の葉を自然に発酵させるのではなく、漬物のようにして強制的に発酵させます。
漬物のように、葉を醗酵させて作るため、どちらかというと高菜の漬物のように酸っぱい味がします。
阿波番茶
阿波番茶 は、四国・徳島の山間部を中心とした、ごく限られた地域で作られている甘酸っぱい香りが特徴のお茶で、一種の漬物茶です。その作り方は、お茶をヨーグルトのように 乳酸発酵させるという、日本茶はもちろんお茶の本場、中国でもほとんど見ることの無い珍しい製茶法をとることで知られています。主として徳島県内、高松市、淡路島などで愛好されています。
美作番茶
岡山県東北部の美作地方で伝統的な手法でつくられている番茶です。一番茶摘後、枝葉ごと刈り取った茶葉を鍋で煮た後、むしろの上に茶葉を広げ、鍋の煮汁を掛けながら天日乾燥という伝統的な手法で作られる番茶です。茶葉は光沢がある黒っぽい色をしています。
黒茶
茶葉そのものの発酵酵素の働きではなく、微生物を作用させてつくる後発酵茶。
黒茶は、固めた状態の「緊圧茶」と、ほぐした「散茶」とに分類できる。緊圧茶にはさまざまな形状のものがある。円盤状の形をした「餅茶」、お茶碗ほどの大きさと形をした「沱茶」、レンガの形をした「磚茶」、人の頭のような形と大きさの「人頭茶」、立方体をした「方茶」、穴あき銭の形をした「銭茶」、竹筒に詰めた茶葉を火で焙って竹皮に包んだ「竹筒茶」などです。
黒茶の製造工程ですが、まず「殺青」と「揉捻」を行います。ここまでは緑茶の製造プロセスと同じです。次に、水分の残っている茶葉を積み重ねて高温多湿の場所で発酵させる「渥堆」、2回目の揉捻である「復揉」を終える。最後に「乾燥」を行って製品に仕上げます。
プアール茶
加熱によって酸化発酵を止めて作った緑茶(釜炒り緑茶やシーチン緑茶)を、製品を湿らせて、カビを繁殖させ、酸化発酵させた二次加工のお茶です。
この後発酵によって独特の風味が生じるため、好まれないこともあります。
中国雲南省南部の少数民族ハニ族などの間で古くから伝わっております。
バタバタ茶
本来黒茶と言って独特な製法により日数を掛けて醗酵させたお茶です。「茶のみにござい」(茶を飲みにきなさい)と部落の人が、はじめて顔を合わすとき出るお茶、そのバタバタ茶の語源はせわしく茶を左右に振る動作からきているといわれる。現在は富山県の朝日町、隣町の入善町で飲まれているだけです。
ぼてぼて茶
島根県松江地方に伝えられている飲茶習俗のひとつで、郷土料理です。番茶に干した茶の花を加えて煮出し、しばらくして芳香がたつとこれを柄杓(ひしゃく)で茶碗(ちゃわん)に移し、茶筅(ちゃせん)の穂先に塩少々をつけてぼてぼてと茶碗の縁に当てて泡をたて、漬物などの具を入れてそのまま回し込みながら飲み込みます。昔は大きな親茶碗で泡をたてて小さい茶碗に分けておりました。なお、この地方の旧家には、それぞれ特有のぼてぼて茶が伝わっています。