心づかいは、さりげなく
お茶の入れ方(淹れ方)、飲み方ひとつで、その人の心づかいが伝わるものです。お茶をいただくときのマナーについて紹介します。
お茶のマナー ~もてなしのこころ~
「お茶のマナー」を知る上で、最も大切な事、最も気にかけておかなければいけない事は、「もてなしの心」です。茶道では、お湯を沸かすところからお客様にお付き合い頂きます。
これは、丁寧に、心をこめてお客様をもてなす気持ちの表れなのです。お越しいただいたお客様にお茶をお出しすることで、わざわざ訪ねて来ていただいたことに感謝し、お客様にベストを尽くしてお茶を差し上げる「もてなしの心」が「お茶の心」なのです。
そして、お客さまがお茶の道具や掛け軸、花などを誉めるのは、コミュニケーションのきっかけを作り「もてなしの心」に気付いていることを伝え、親しくお話が出来るようにするためなのです。
お客様の目の前でお茶を淹れるのは失礼?
マナーといっても、難しいことではありません。お茶をお出しする相手への、心配りです。
まず、お茶はよほど親しい仲でない限り、別室で淹れて、お出しするのが礼法ではマナーといわれていますが、中国では、お客様の前でお茶を淹れることも、おもてなしのひとつであると考えられています。
また、お茶を飲みながら、お茶の昧や香り、茶器などについて語り合うことを大切にしています。
日本茶にも、綺麗な茶器や、水色、茶の葉の色や形など、人の目と心を楽しませてくれる要素がたくさんあります。
目の前でお茶を淹れてくれた人と、お茶を通して会話が弾む。
マナーを守るのはもちろん大切ですが、たまには、そんなひとときも良いのでは?
お茶の出し方
茶托を敷いてお茶を出すときのマナーは、
①茶碗の正面を自分の方に向ける
②ゆっくり回しながら、茶碗正面の絵がお客様の前に来るよう置く
③茶托は出す方の手に持ち、もう片方の手は添えるだけ
出し終えたら、「熱いうちにどうぞ」と一言添えることも忘れずに。
冷めないうちにいただくのがマナー。女性は口紅にも気をつけて
お茶を出す側だけでなく、いただく側にもマナーはあります。
それは、お茶が冷めないうちにいただくこと。温かいお茶を淹れてくださった方への心配りからです。
特に女性は、口紅にも気をつけてください。
茶碗の緑に口紅がべったりついているのを、そのまま放っておくのはマナーに反します。ティッシュペーパーなどをあらかじめ用意しておき、さりげなく拭き取っておく心づかいを忘れないようにしましょう。