世界中の人たちに愛され、飲まれているお茶は、一体どのようにして世界中に広がっていったのでしょう?
お茶がヨーロッパに伝わったのは16世紀・大航海時代。
お茶は中国から世界中へ広まりました。
ヨーロッパに伝わったのは大航海時代に入る16世紀で、中国広東にやってきたポルトガル人が最初にお茶を味わった西洋人だといわれます。
17世紀に入ると、新たにアジア交易の覇権を握ったオランダによって、お茶(紅茶)がイギリスに輸出されるようになりました。
お茶が世界中に普及したのは、20世紀から。
生産国もどんどん拡大!
お茶が世界の隅々にまで普及したのは20世紀に入ってからです。19世紀半ばにはインド、セイロンで生産がはじまりました。現在ではアフリカや南米でも生産されています。
2005年の統計によると、世界の茶の生産量は約342万トン。そのうち、緑茶は約90万トン、ウ一口ン茶は釣19万トン、紅茶は233万トン程度であると推定されます。
日本への伝来と栄西禅師の「喫茶養生記」
日本茶の伝来に仏教が深く関わっていたことは、多くの史実が物語っています。
古来より日本の知識人は大陸文化を求めて、「遣隋使、遣唐使」として大陸に渡り交流を行ってきました。そして大陸に渡った知識人は、仏教とともに多くの知識を持ち帰り人々に伝えました。中でも茶は禅の修行に用いられたため、その製法、喫茶法はことに仏教と近い関係で日本に広められました。
最澄や空海そして栄西禅師などの高僧たちが伝来に関わった人々としてあげられますが、中でも栄西禅師は、1211年にわが国最古の茶科学書「喫茶養生記」を著しました。
「喫茶養生記」では、「茶は養生の仙薬なり。延命の妙術なり」と茶の効用が説かれ、お茶を飲んでいると心臓や肝臓などの五臓によく、病気にもかからないと書き残されています。